NAGOYA Archi Fes 2019 VR×建築展示レポート(企画編)

こんばんは、まこと@virtualDIYerです。

 

先日、311日、12日にNagoya Archi Fes 2019が開催され、

その会場にて

「建築×VR=?」

と題し、有名建築と過去の卒業制作作品をVR上で展示する企画を行いました。

私はこの企画に作品提供と企画などでお手伝いさせて頂きました!!

 

二日間で、企業の方々を含む60の方々にVRでの建築体験をして貰える盛況ぶりで、休む暇もないほどでした〜。

恐らく、

いわゆる卒業制作展においてVR展示が行われたことは初めてのこと

かもしれません。

挑戦的な企画に運営側として協力できて非常にうれしく思っています。

 

今後、学生団体などで同様の試みが増えていけばよいな、参考になるかな、と思い、今回の企画、運営について簡単に書いてみています。。

建築学生がVRに挑戦する、となった時に参考になればと思っています!!

(もし良かったら見ていってください!!)


今回の展示企画について

今回の企画概要について簡単に振り返っておきます。
企画のフライヤーがこちら。

VRだしシュッとした感じのデザインになりました(笑)

企画概要は、次のように書いてあります。

模型が所狭しと並び、彩りを飾るなか、本展示に置かれているのはPCと厳ついゴーグルが置かれている無機質な空間である。しかしながらそこには4つの建物が1/1で建っている。
その4つの建物はポケットに入れて持ち運ぶことができる。梱包するための箱を作る必要もなければ、出力のために印刷に並ぶ必要もない。
終わった後に壊す必要もない。いつでも修正し、計画が変わればその部分だけを変更できる。その模型、プレゼンを終えたらあなたはどうするつもりだろうか?
このVRを用いたプレゼンテーション方法に触れて、新たな3Dモデルの活用法と可能性を感じていっていただきたい。     ―フライヤーより引用

長いですね。めっちゃ煽ってますね。(笑)
つまりどういうことかというと、、、。

建築とVRで何かしようよ!!

ってことです。私たちの展示を見て、VRの可能性を感じてもらい、挑戦してもらえれば非常に嬉しいです。

 

 


運営チーム

この企画はNAFとxRArchiよって企画、運営されました。
それぞれの団体は、以下のように説明されています。

NAGOYA Archi Fes 2019

NAGOYA Archi Fes(通称NAF)とは、中部最大規模の建築学生団体であり、16の大学・専門学校の学生約160人で構成される。「中部建築界隈の活性化」を理念とし、中部卒業設計展の運営をはじめ、建築家の方のレクチャーや即日設計イベント、まちづくりに関わる空き家プロジェクト、展示審査会場のデザインなど建築に関わる様々な活動を行っている。

― フライヤーより引用

 

 

xRArchi

xRArchiとは建築 × xRの未来について考え、情報交換などをする場として発足されたコミュニティ。有志によって様々なイベントが企画・運営されている。最も代表的な活動として第0回VR建築コンテストの開催が挙げられるが、その他にも東京藝術大学の点群を用いたアーティスト作品の制作やeGPUの実証実験、イベントへの登壇なども行っている。

― フライヤーより引用

 

xRという耳慣れない言葉がありますが、VRやAR,MRなどの概念を総称するものとして使われる言葉です。

xRArchiは、建築分野の方々にxR分野に加わってほしい、xRで建築がどう変わるのか、について興味を持っている方々の集まりです。

私はxRArchiのメンバーとしてこの企画に参加しております。
興味のある方はリンクを張っておきますので、画像をクリックして見てみてください~

 


NAFとxRArchiのコラボレーション

先ほど説明した2団体のコラボレーションでこの企画が実施されました。

201812月ごろ、第0VR建築コンテストを見たNAFの学生から、「卒業制作展でVR展示企画をやりたい!!」との熱いメッセージを聞いたのをきっかけに、xRArchiの学生を中心に、NAFと連携して進めました。

もちろん、学生にノウハウはないので、xRArchiのメンバーに機材、コンテンツ、企画など全面的にアドバイスをいただきました、、、、!

こちらはかの有名なVRサヴォア邸作者のmozさん

 

 

機材提供の桑山さん

桑山さんにはVivePro、VRready PC それぞれ二台、協賛として提供いただきました!

 

このほかにも皆さん大変白熱した議論が交わされ、、、、
改めて、xRArchiメンバーの経験値、技術力の高さに驚かされました、、、。

 


企画の詳細、、、。

みなさんもご存知の通り、いくら口酸っぱく良さを説明しても、VRは伝わりません。VRほど「百聞は一見にしかず」なものはないといっても過言ではありません。

とにかく、見てもらうことが第一優先なのです。

今回、卒業制作展への来場者は、「出展者」or「運営」の学生が大部分であり、VR初体験の方が多いことが想定されたので、
できるだけ多くの方に、「
VRで建築を見る。」という体験をしていただくことを目標に企画を進めました。

 

製作期間の問題もあった(学生メンバー全員がVRコンテンツ作成初挑戦)ので、コンテンツはシンプルにし、有名建築or卒業制作作品をVR上で見る。
あらかじめ提供できる情報はポスターや映像などで見られるようにし、
VR内での空間体験に多くの時間をさけるように努めました。

展示の平面計画も、プレイしている人を見ていただけるような平面計画を意識しつつ作りました。

(図は配置、体験の初期案です、、、!)

当時、スペースの都合から、Vive二機またはVivePro二機で展示すること、

コンテンツの製作は、2カ月しかないこと、VR展示に耐えうる(割と内部まで作りこまれている)準備できる3Dモデルの個数の都合などから4作品となりました。

展示当日には、4作品の中から2作品を目安に選んでいただき、

操作説明5分+コンテンツ①5分、コンテンツ②5分、の計15分

のタイムスケジュールで体験していただきました。

 


コンテンツの制作過程

実際に展示されたコンテンツは以下の4つです。

サヴォア邸 (制作者:moz )

住吉の長屋 (制作者:まこと)

栄螺堂        (制作者:おおや)

パラサイトアーキテクチャー
(制作:NAF) 
※展示は二日目以降

サヴォア邸は、こちらのツイートで有名なものを、xRArchimozさんから提供頂きました!(本当に綺麗!!)

パラサイトアーキテクチャーはNAF卒業制作展の以前の入賞作を、NAFメンバーによりVR化したもので、住吉の長屋と栄螺堂は、xRArchi学生メンバーで個人単位で制作しました。

これらほとんどが約2ヶ月で作られたということに驚きました本当、、、、。
xRArchiメンバーもNAFメンバーもすごい頑張ったことを改めて実感しました、、、。

VR化にあたっては

Unreal Engen4(UE4)

を使いました。(以下はサンプルプロジェクトの作業画面です)

※Unreal Engine4とは

Unreal Engine(アンリアルエンジン)は、Epic Gamesより開発されたゲームエンジンである。1998年にファーストパーソン・シューティングゲーム (FPS) である『Unreal』で初めて実装された。 Wikipwdia

私も触り始めでよく分かっていないのですが、ゲームエンジンというのは、「ゲームを中心とした映像コンテンツを開発するためのソフトウェア」だとおもいます。

もう一つ有名なゲームエンジンに「Unity」があります。気になる方は調べてみてください!!

UE4もUnityも、無料で使うことができます!!
(本当に感謝、、、!)

 

なぜUE4を採用したか、ですが

  1. 絵が比較的簡単に綺麗にでる(建築系のコンテンツ向き)
  2. ノードベースのビジュアルスクリプティングを採用している(UnityはC#を使用)
  3. サヴォア邸がUE4で制作されている

以上が主な理由です。

 

制作にあたって、参考書として、大橋ユキコさんの

「Unreal Engen4建築インテリアビジュアライゼーション」

を使い、UE4での操作に習熟していきました。

この本は、サンプルの建物一棟をUE4を用いてビジュアル化していく過程が紹介されていて、実際に作業をしながらUE4について学ぶことができます。

 

ただし、UE4を用いたVR化に関する情報は乗っていないため、別で勉強する必要があります。そこで、VR化の諸作業についてはGoogle先生にお問い合わせをしまくって確認していました、、、、。
UE4を含むゲームエンジンは、Blogや公式のドキュメントが豊富なこともあり、(もちろん努力が必須ですが)大枠の知識をつけていれば勉強できる気が、、、、した、、、かも?

モデリングはメンバーが使用しやすいということから、Rhinocerousを使用していました。

VRコンテンツは、体験者の気になった部分がすべて見えてしまうので、パースのように1カットではなく、見える場所全体を作りこまなければなりません。
また、画面で見るよりも粗が目立ってしまう(すごい寄れる、現実と比較してしまう等の理由)ので
モデルの修正に時間を要しました、、、。

例えば、

  1. 窓枠、サッシなど細部の納まり
  2. 什器等による雰囲気づくり
  3. コンクリートのピーコン位置、木目サイズなど、、、。
  4. Z Fight (同じ場所に面があったりして変に見える現象)
  5. 光の当たり方、反射など、、、。

などの点で修正がたくさんありました。

また、ゲームとしてプレイするので、FPS(プレイ中一秒間のフレーム数)はVRコンテンツではfps100程度出るように、データを軽くするなど、建築のモデリングとは異なる注意点もありました。

この辺りは、作ってみるとわかると思います。自分でも気になってきますから。

 


当日の様子

 Twitterにも書きましたが、休みなく人にお越しいただき、嬉しい悲鳴をあげるほどでした笑
(そして写真が取れなかった!!!)

企業の方々を含む約60人の方に体験していただきました!!

 VRはじめての方々がほとんどにもかかわらず、皆様大変楽しんでいたようで、HMD被りながら「おぉぉ、、、、。。」とかいう傍目から見たら変な人が沢山いらっしゃいました。笑

体験して下さった方、本当にありがとうございました!!

 

企画編はここで終了です。後日、実施したアンケートについて投稿する予定です。それではまた。

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